AI に作業を任せ始めると、最初にぶつかるのは「どこまで黙ってやらせるか」です。毎回聞かれると画面の前を離れられず、何も聞かれないと、知らないうちに外へ何かが出ていきます。私はこの線を 1 枚の決まりに書き、仕事を受け持つ AI が起動したときに最初に読ませています。まず、その決まりがあっても起きた失敗からです。

1. 私の一言を「戻せ」と読まれた日
2026年10月21日、私は整理して取り下げたページについて「そもそもミスだろ」と書きました。要らない記事を作ったこと自体がミスだった、という意味です。AI はこれを「取り下げたことがミスだ」と読み、79 ページを公開に戻して、転送の設定を外しました。私は戻せとは言っていません。
01. 全部を元に戻しました
転送 79 本を作り直し、79 ページを取り下げた状態へ戻しました。そのあいだ、転送のない古いページが一時的に公開されていました。
02. 決まりに足した 3 行
同じ日の夜にも、「どこに書いてあるんだ」という質問に答える前に、AI が公開中のページを書き換えました。そこで「どこに」「なんで」「何が」は質問として扱い、先に答えを返す、という 1 行も足しました。
2. 線は「元に戻せるかどうか」の 1 本です
決まりの元の文は短く、「確認のために手を止めない。止めるのは、間違えると戻せない操作だけ」です。それ以外は AI が既定を決めて進め、あとで判断の理由を報告します。

01. 聞かれすぎると、任せられません
Claude Code は既定の設定だと、コマンドを打つたびに実行してよいかを尋ねてきます。全部に答えていると、頼んだ意味がなくなります。読む・確かめる側は許可を先に出しておき、AI が自分で進めます。
02. 聞かれなさすぎると、外へ出ます
送信や公開は、一度出たら取り消せません。ここだけは、AI が準備まで済ませて、最後の一押しを私に残します。
3. 返事を待たせている 5 種類の操作
決まりに並んでいるのは次の 5 つです。どれも取り消せないか、取り消すのに手間とお金がかかります。
5 種類のうち、公開だけは例外を 1 つ設けています。企業の発表を読んで記事を書く自動の仕組みは 2026年9月30日から下書きで止め、私の返事を待たせます。点検の基準が決まった仕事だけは、点検を通ったら私の返事を待たずに公開してよいことにしています。止めた経緯は記事を下書きで止める回に書きました。
4. 承認を自動で通した日
2026年9月29日、私はデモ用のフォルダで、承認の問いに自動で「はい」を返す形にして Claude Code を動かしました。頼んだのは「ダウンロードフォルダを拡張子で分けるスクリプト」です。AI はデモ用ではなく私の本物のダウンロードフォルダを既定の場所にし、「今すぐ 1 回動かして」で 25 ファイルが拡張子ごとのフォルダへ移りました。AI が実行前に控えていた一覧があったので、全部を元の場所へ戻せました。

01. 「ダウンロード」と言えば、本物を指します
Windows でも Mac でも、ダウンロードフォルダは自分のユーザーのフォルダの中にあります。場所を言葉で伝えると、AI はそこを指します。いまは試しの作業では場所をドライブ名から省略せずに書き、そのフォルダに「外は触らない・消さない」と書いた CLAUDE.md を置いています。承認を自動で通すのは、使い捨ての隔離したフォルダか仮想環境だけです。ユーザーのフォルダ・本番・鍵のある場所では使いません。
02. 「今後は聞かない」の数を数えます
承認の問いで「今後は聞かない」を選ぶと、その許可は手元の設定ファイルに 1 行ずつ溜まります。2026年10月21日に数えると、このプロジェクトの手元の分は 77 件でした。リポジトリに入れて共有している設定は、git の状態を見る 3 つ、ウェブの取得と検索、手元のスクリプトの実行などの 8 件です。
メールの送信や投稿、家電の操作のように外へ出る道具は、「今後は聞かない」にしていません。SwitchBot を Claude Code につないだ回でも、鍵の操作のような危険な命令は、道具の側でも明示の確認が要る作りでした。
5. よくある質問
許可の一覧は、自分で書けますか。
書けます。プロジェクトの .claude/settings.json の permissions の allow の欄に、許す操作を 1 行ずつ並べます。git の状態を見るだけなら「Bash(git status:*)」の形です。送信や公開に使う道具は、ここに入れません。
承認の問いに毎回答えるのは手間ではありませんか。
読む・確かめる操作を先に許可しておくと、問いが出るのは許可していない操作のときだけになります。
一度出した許可を取り消せますか。
取り消せます。手元の設定ファイルから、その操作の行を消します。次からは、また承認の問いが出ます。
決まりを書いても、AI が守らなかったらどうしますか。
文章の決まりは、読み違えれば越えられます。1 章の失敗がそれです。私は、事故が起きた所だけを、コマンドの直前に機械で止める仕組み(フック)に回しています。
Mac でも同じ決まりを使えますか。
使えます。決まりは文章のファイルで、Claude Code が読む仕組みは OS で変わりません。変わるのはフォルダの住所の書き方だけです。
6. まとめ
AI に任せる範囲は、「元に戻せるかどうか」の 1 本の線で分けています。読む・調べる・下書きを作るまでは聞かずに進め、送信・公開・課金・削除・公開済みページの整理の 5 つだけは、私の返事を待たせます(公開のみ、点検を通った仕事は例外)。
- 評価の言葉は命令ではない。公開・復活・削除・転送は命令の言葉があるときだけ
- 決まりの元の文は「確認のために手を止めない。止めるのは、間違えると戻せない操作だけ」
- 自動承認は、使い捨ての隔離したフォルダか仮想環境だけ
- 試しの作業は場所を省略せずに書き、実行前の一覧を控えさせる
- 「今後は聞かない」は数えておき、外へ出る道具には付けない
文章の決まりを越えられたときに、機械で止める仕組みと控えの取り方は、打つ直前に止める見張りの回に書きました。
実用編 STEP 1。Claude Code と Claude in Chrome は Free では動かない。松竹梅3プランの比較、PowerShell/macOS の導入コマンド、必要なツール、使用量の考え方まで。 作中でトニーがJ.A.R.V.I.S.とF.R.I.D.A.Y.に出した指示を21件数え直し、2026年の市販品でどこまで届くかを1件ずつ突き合わせました。そのまま作れるのは7件です。

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